AIが混同したナッシュとジョジョのDIO―Google編

B! P L

ナッシュの画像でアレコレしていると『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOに行き当たることがあった。
もはや確認がとれないことも含めて記事にする。
『ジョジョ』第1部のネタバレがあるので気にする人は注意してください。
長くなったので分割。後編はこちら→AIが混同したナッシュとジョジョのDIO―画像生成編

Googleの画像検索

2022年2月、わしは数年間忘れていたナッシュのことを急に思い出した。
忘却理由はナッシュ復帰作の『ストⅤ』ゼネストの演出が酷かったせいとは過去にも説明したので軽く流すとして、2022年のわしはナッシュについていろいろ調べていた。
もともと『ストⅣ』が流行したあたりで一度ナッシュの情報をネットで知った。その復習のようなものだった。

調べる中、他に関連画像がないかと『ガンスパイク』の絵で検索した。たしかキャラセレ絵。
そんなときに『ジョジョの奇妙な冒険』第3部のDIOが引っかかってきた。
わしは『ジョジョ』未読者。だがネットスラングのおかげでDIOのことをうっすら知っていた。
それゆえ最初はビックリしたものの「言われてみれば似てる」と妙に納得した。
↓左の画像が検索に使ってたナッシュ絵で右の画像は検索結果に出てきたDIO絵……と近いもの。このDIO画像の出典はDIO | CHARACTER | ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

ガンスパイクナッシュとDIO

当時わしが見たときはDIO画像がスタンド(背後霊的なやつ)付きだったかどうか覚えていない。ただこういった画角とポーズだった。
スタンドなしVerのもある。『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』全キャラレビュー:DIO編――DIO様はエンジン音を聞いてブルドーザーと認識できる凄味がある - 電撃オンライン
そっちは黒い肌着がやや緑色っぽい。

外見の共通部位の列挙

箇条書きでナッシュとDIOの似ているところを挙げる。

  • ツンツンした金髪
  • 黄色の上着
  • 筋肉質な長身男性
  • (ナッシュはガンスパイク限定で)黒い肌着着用
  • ツリ目(で双方ともに美形扱いされる)

それと表面積の量が違えど、DIOには緑色の装飾部分があり、緑のズボンを履くナッシュと色相が被る。
Googleの検索結果を初めて見たときのわしの感想は「カラーリング似てるなぁ」だった。
特にズボンの色が『ZERO』だと深緑色だったのが『ガンスパイク』で黄緑色に薄まっていて、よりDIOの差し色と近い色合い。

内面が似ているのはバルログ?

ぜんぜんナッシュとは違う話になるが、2025年4月にわしが『ジョジョ』第1部のアニメを視聴した都合で気になった部分をついでに書く。
アニメのディオを見ると節々でバルログを連想した。ここに二人の共通点を並べる。

  • プライド高い
  • 表向きは紳士的にふるまうが、平気で他人を傷つける残忍な性格
  • 母親は好きだが父親は(○すほど)憎い
  • 攻撃は避けるスピードタイプ
  • 薔薇好き

最後のはディオ側の好みがはっきりしない。終盤、唐突にたくさんの薔薇を所有していたので一応ふくめる。
あと攻撃を食らうと冷静さを失う描写がアニメのバルログにもあったような気がするが、わしの記憶に自信がない。
ディオは泣いたり逆上したりで情緒が忙しかった。その反応自体は普通だけれど平素の澄ました感じとギャップが激しい。

どの共通点も設定をマネしたと言えるような独自性はない。
実父をコロコロ(※やわらか表現)する類似例はそう多くないと思うけれど、たまたま被ったといえばそれまで。
ディオの存在がバルログのキャラ設定に影響を与えたか不明なものの、もしかしたら関係あるんかなと思ったのでまとめた。

ストリートファイターZEROのナッシュの露出度

ナッシュは『ZERO』の初登場時から裸ベストの格好を続けてきた。
本人は真面目な性格かつインテリ設定をもつかたわら、服装は粗野で変態的というアンバランスさがある。

ただし他の露出過多な格闘家たちを見ればナッシュはこれでも服を着ている部類に入る。
『ZERO』の前作にあたる『ストⅡ』だと長袖長ズボンな無露出格闘家はベガしかいない。
Ⅱキャラ(全17人)は半裸やパンイチ等の布地が足りてない格闘家が全体の半数を占めていた。
そういった裸一貫(※物理)なキャラが多い世界には裸ベストが合っているとも言える。
この殴る蹴るで成り立つ粗暴で原始的なゲームにおいてインテリ設定が異質なだけなのかもしれない。

ガンスパイクのインナー

教養人なのか野蛮人なのかキャラデザの方向がよくわからなかったナッシュが、『ガンスパイク』で初めて肌着を着た。
初見わしは「やっとまともなファッションになった、黒インナーなら白シャツ着てる『KOF』のラルフやクラークと被らなくてヨシ!」と素直に歓迎した。
ただSNKのベスト着用軍人ズも黒っぽいシャツを着ることはある。そこを差別化するのがピッタピタなインナー(多分)。
3Dに移行(する前からだが)後の『KOF』での彼らはダウンベストを着ていないため、そのへんは意識しなくてよさそうな環境になりつつある。

着用の経緯推察

この変化についてわしは二点の事情を推測している。
一つは銃がメインウェポンとなるゲームでは過剰な筋肉アピールをせずに済むこと。
もう一つは機械技術が発達した近未来的な世界観との兼ね合い。
その二つがあって、野性味あふれる格好はナシになったのだろうとわしは勝手に納得した。
実情はどうだか知らない。わし個人が納得できたらそれでいいのである。
だから格闘ゲームのほうでは腹筋出しっぱなしでもしゃーないという諦めも込みこみの解釈である。

しかし文明を取り戻したような常識的な服装への変化は、『ガンスパイク』との調和を純粋に目指したものではないのかもしれない。
DIOとナッシュが似ていると機械が判定した。
もしそれと同じ発想が制作者にもあったなら、ナッシュが黒い肌着を着るのも『ジョジョ』ネタの一種だったのかと思えてきた。

デザイン担当者はジョジョ履修済み

『ガンスパイク』の主なキャラデザ担当者は西村キヌ氏。
キャミィとナッシュのデザインは西村キヌ製でおそらく間違いないことはガンスパイクのバルログ―格ゲーのバルログとの関係で簡単に説明した。

その西村キヌ氏は『ストリートファイターZERO』でローズのデザインを決めたと言われる。
ソースの制作者ポスト↓。返信部分も込みで見たほうが誤解を招かないと思うので埋め込まない。
2015年1月4日のあきまん氏のつぶやき

ローズは『ジョジョ』第2部に登場するリサリサに似ており、『カプジャム』のブリス姿には『ジョジョ』のネタが盛り込まれた。
もしかしたらキヌ氏は第3部も知っていて、DIOの黒インナーがいいなぁと思ってナッシュに着させたのかもわからん。

ジョジョの不定カラーリング

漫画の『ジョジョ』は登場人物のカラーリングがさだまっていなかったらしい。
雑誌のカラーページなり単行本の表紙の絵は自由に色が塗られていたそう。
普段は白黒の漫画で連載している関係上、当初は明確に配色を決めてなかったようである。
いつごろキャラごとの髪や服の色が確定したのかわしには特定できない。
単行本の表紙を見れば金髪花京院(17巻)ピンク髪でピンクな服のポルナレフ(19巻)が描かれる。
銀髪で白い服な花京院とピンク髪ポルナレフな表紙の単行本(25巻)もある。ただ、この花京院は色の塗り忘れな感じがする。

メディアミックスの統一カラー

これがアニメあるいはゲームになると基本的に登場人物は統一されたカラーで描かれる。
派生作品のデキや人気にもよるが、白黒漫画はメディアミックスを機にイメージカラーが固定化しやすいんでないかとわしは思っている。
初期の『キン肉マン』のテリーマンがアニメカラーの金髪青い服でよくグッズ化されていたように。令和以降は原作通りの銀髪赤い服が主流になった様子。

『ジョジョ』は1993年には第三部のエジプトが舞台な部分をOVA化しており、そのDIOがまんま現在と同じ配色。
1992年6月10日発行とされる27巻にも同じ色合いのDIOが表紙を飾っていた。それをトレースしたのかな。
とにかくDIOに関してはナッシュが『ZERO』に登場を果たす前からカラーリングが確定していたと考えてよさそう。

ベストの色の元ネタか否か

ひょっとしたらDIOが黄色い上着を着ているからナッシュのベストも黄色系になったのかもわからんです。
過去の記事ではぜんぜん触れなかったけれど。
もっと読むナッシュとZEROのカラーリング事情―ガイとソドムの色変遷も紹介

わしの勝手な推測だとそうは思いにくい。
DIOをあまり意識せずにナッシュの造形が決まって、そのあとでキヌ氏がガンスパイクナッシュをDIOに寄せていった、という流れのほうが現実味を感じる。
根拠はなにもない。『ZERO』の制作者がX(旧ツイッター)で花京院の名は出してもDIOには触れなかったことからそんな印象を受けた。該当ポスト↓
2021年10月13日のCANOE氏のつぶやき

悪役の要素を継がせる対象か

ナッシュとDIOを似ていると判断してきたのはGoogleが初めて。
同じ指摘をそれまで見なかったこともあって、ナッシュの容姿にDIOの影響があったと考えるにはいまいちしっくりこない。

DIOは完全な悪役でナッシュはヒーロー気質なところがぜんぜん違う。
正反対なキャラから要素を取り入れようとするかなぁ? とわしは違和感を覚える。
スタートラインがガイルの友人だと、どうあがいても悪役の成分がない。
ナッシュもツリ目で悪人顔寄りではあるのだが。
でもガッツリしたツリ目じゃないから。まだ優しさも感じる切れ長の目だから。『ロマサガ3』の主人公の一人のトーマス・ベントもそうだから。

現在は検索にヒットせず

今はもうナッシュの画像で検索してもDIOが出てくることはない。
ナッシュでない画像が出たとしてもカプコン系列のキャラ(例:初代『バイオハザード』のクリス)だったり、ベストを着る軍人なキャラ(例:『KOF』のラルフ・ジョーンズ)だったりする。
AIの識別機能が向上し、ナッシュとDIOは別物だとわかってきているらしい。
正しい進化ではあるがちょっと寂しい気もする。

ソースは未提示

あいにくわしはGoogleがDIOの画像を引っ張りだしてきた画面をスクショしなかった。
当時はこんなふうにナッシュのことをイジる語る記事を公開するつもりがなく、話の種として保存しておく発想がなかった。
証拠となる物品がないために、読者はこの話をわしの完全なるウソだと見なすこともできる。なんならわし自身も本当に起きたことなのか今では疑わしい気持ちがある。

だがGoogle以外にも両者を混同する事例があった。
その話を添えておけば「GoogleがDIOをナッシュと間違うこともあったんだろう」と思ってもらえると期待して、次の話題へ↓

次の記事AIが混同したナッシュとジョジョのDIO―画像生成編

補足:DIOとディオの使い分け

『ジョジョ』を知らない人向けに一応の解説。といってもわしも詳しくはない。
第1部に登場する少年~青年期のディオ・ブランドーはカタカナで表記し、第3部に登場するズボンの構造がよくわからない(※婉曲的表現)ハートマーク大好き男はDIOとアルファベットで表記する。
そういう違いがあって、わしもこの記事では表記を分けた。
第1部でもディオをDIOと書くことはあったそうだが、だいたい登場した時期で使い分けるのが慣例なのだとわしは理解したのでこうなった。
登場しない部でも2部はディオ、4部以降はDIOで統一されているらしい。未確認。
そして7部以降はパラレルワールドになっていて、その世界でのディオ(ディエゴ)はDioと呼ばれたりするらしい。初心者には把握が難しいシリーズ。

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