14.SFC星のカービィ スーパーデラックス【アドベントカレンダー2024】 2024/12/19 B! P L 『星のカービィ スーパーデラックス』(以下『SDX』)は1996年3月21日に任天堂から発売されたスーパーファミコン用の横スクロールアクションゲーム。開発元は任天堂とHAL研究所。 本作は『星のカービィ』シリーズの第7作目で、アクションゲームのみで数えると4作目。 シリーズの生みの親である桜井政博氏がディレクターを務めた。 ## ゲーム概要 6種類+αのゲームモードを収録したオムニバス形式の作品。 基本的には横スクロールアクションで各ステージのクリア条件をこなしていく。 最初にカーソルが合っているモードの「はるかぜとともに」はシリーズ第一作目かつゲームボーイソフトの『**星のカービィ**』をリメイクしたもの。 ### コピー能力 カービィシリーズの第二作目かつファミコンソフトの『**星のカービィ 夢の泉の物語**』から搭載されたシステム。 特殊能力持ちの敵をカービィが飲み込むと敵と同じ能力を使える。 アクションゲーム第三作目でゲームボーイソフトとしては二番目の『**星のカービィ2**』までは1ボタンにつき1動作のコピー能力だった。 今作はコピー能力がコマンド式で発動するようになり、一つのコピーで複数の技を出せる。 コマンドといっても十字キー1つとボタン1つの組み合わせや,ボタン長押し,連打なと簡単な操作で多彩なアクションに分岐する。格ゲーのコマンドほど複雑なものは無し。 ### ヘルパーシステム カービィがコピーした能力を使って仲間を生み出せる。 この仲間はオート操作のCPUとして最初は登場するが、2Pコントローラーを使えば2Pプレイヤーが操作可能。 CPUは戦いは当然のこと、大砲の導火線に火を点けるギミックのある場所などで積極的に動いてくれる。操作に不慣れな1人プレイでも進行の助けを得られる。 一部進行自体は問題ない部分では気を利かせてくれないときもあるので、あくまでゲームを進める分だけの手助け。 なおヘルパーが居る状態でボスと戦うと敵のHPは増えるそう。増加率は1.3倍ほどだとか。 ### 初心者の部屋 初心者向けのチュートリアルモードが用意された。 当時はSNKの格闘ゲームの初代『餓狼伝説』からすでにHOW TO PLAYでボタンの動作説明はあったにせよ、チュートリアル専用の背景やセリフを設けての解説は珍しかった。 今作は万人受けをモットーにしたそうで、コントローラーの操作がおぼつかない人も遊べるように配慮を尽くした模様。 ### ガードの初実装 それまでの星のカービィシリーズにはガードの概念がなかった。敵の攻撃は避けるなり自身の攻撃時の無敵判定でやり過ごすなりで対処してきた。 今作でガードが実装される。 ガード状態でダメージを受けない攻撃のほか、かすかにダメージが入るもの(通称ケズリダメージ)やガード無視の技があるなど、一口にガードと言っても万能ではない性能。 そのへんは対人格闘ゲームにあったガードの仕様を真似ている模様。対人戦でガードが無敵だと勝負にならないので。 #### ガードの性能 このゲームは2P対戦できるミニゲームはあるが、通常のバトルに対人機能は無い。 敵方が遅延行為を起こすようなことはないのでガードが完全無敵でも困る人はいなかったと思う。 しかしそれでは”ぬるい”と制作者が考えたのか。 上級者にも喜んでもらえる手ごわさ&奥深さの一環なのだろうか。 それか単純に格ゲーが好きなスタッフがいた影響かもしれない。 桜井氏がSNKの『KOF'95』(1995年7月25日リリース)で初登場した八神庵について、『スマブラSP』「テリーのつかいかた」の動画で「当時このキャラクターが出た時、この格好とその言動でこれ作った人は天才じゃないかなと思ったりしました」と語っていた。該当発言のある25:50にリンクした動画→【スマブラSP】テリーのつかいかた 『SDX』発売前にはガッツリ格ゲーに浸かってたらしい。 #### ミラーの反射ガード ミラーをコピーした時にガードすると虹色のバリアに囲まれ、飛び道具を跳ね返す【リフレクトガード】という技になる。 ケズリダメージも一部なくなる、強力なガード。ガード不能攻撃はガードを突き破ってくるのでやはり万能ではない。 以下ただの推測。 格ゲーっぽい部分がある今作、この**ミラーの能力は『ストリートファイターZERO』のローズの影響を受けたのかも**しれないとわしは思っている。 ローズは【ソウルリフレクト】で飛び道具を反射できていた。エフェクトも虹色っぽくてミラーと似ている。 『ZERO1』のリリース日が1995年6月27日。その前の宣伝期間も含めたら参考にはできそうな感じ。 細かいことだがローズは一部の勝利ポーズで分身する。ミラーはダッシュ+Yボタンで【ミラーぶんしん】が出せる。 ## SDXにおける大きな発展 のちのカービィ作品でもコピー技がコマンド化していたりガードがあったりと、『SDX』で盛り込んだ要素がいくつか受け継がれていった。 中でもわし個人の印象深いものを挙げる。 ### 仲間の存在 アクションゲームとしては『SDX』の前作にあたる『星のカービィ2』には仲間キャラクターが初めて実装された。リック,カイ,クーの3人。 それはカービィと合体する形での協力体制。ともに行動する仲間ごとにコピー技の性能も変化した。 コピー技が1動作だけなゲームにおいて、3人の仲間による技の変化は戦い方のバリエーションをもたらしていた。 『SDX』はヘルパーが独立したキャラとしてカービィに付き従ってくれる。 性能はカービィとほぼ同じ。一部ヘルパーのほうが強いものもある(コピーのヘルパー・タックなど) このころのゲームで、CPUが味方で戦ってくれるアクションゲームはわしの知る範囲だと珍しかった。『聖剣伝説』の2~3くらいか。 2PプレイのあるSFC『スーパーマリオワールド』(1990年11月21日発売)でも1Pがミスしたら交替で2Pがプレイする、という交互プレイであって協力はできなかった。 #### 無意味に引き連れる わしはコピー能力をゲットしたら即ヘルパーを召喚していた。 オート操作のヘルパーは特別強いわけでもなく、勝手に敵や障害物にぶつかっていってHPを無駄に減らすこともある。 ヘルパーがいるとHPが増すボス戦も、プレイヤー単体で挑んだほうがスムーズに倒せる。 でもいっしょについてきてくれるのが良かった。 他のアクションゲームは1人で進むものが多く、それがなんだか心細かった。 うちには『スーパーマリオワールド』や『ロックマンX2』があったが、それをわしはクリアまで行かず、『SDX』は何度もエンドロールまでいけたのはヘルパーの存在も大きいんじゃないかと思っている。難易度が易しいのが一番の理由とはいえ。 #### 味方CPUがない作品も その後のカービィシリーズでは2018年の『星のカービィ スターアライズ』(以下『スタアラ』)でコンピューターによるオート操作の味方と共にプレイできる。他にもあるのかもしれないがわしは知らず。 が、『スタアラ』以降に出たゲームでも味方CPUが搭載されていないのも普通にあった。 2023年の『星のカービィ wiiデラックス』は2P以上の協力プレイで仲間を引き連れることが可能。一人プレイでは一人でのみのプレイになる。 制作者的にはCPUの味方の存在が重要と思ってないらしい。わしの中では必須なんだけどなぁ。 ### 初出コックカワサキ コックカワサキは料理人なキャラクター。『SDX』が初登場作品。 「白き翼ダイナブレイド」にて中ボスとして立ちはだかる。 わしは『SDX』以前には『星のカービィ2』だけプレイしており、カワサキはてっきりもっと前からいる古参キャラクターかと思っていた。 食べることが攻略の鍵になる世界観において、料理人の属性は特別な意味を持つような気がしたからである。 食うことが攻撃につながるカービィに対して、料理を生み出すカワサキはカービィとなにかの因縁や縁故があるような空気を感じていたがべつにそんなことはなかった。 #### その後のカワサキの躍進 『SDX』ののちも脇役としてはちょこちょこ出番があるらしい。ミニゲームでよく登場するそう。 『スタアラ』では中ボス役のほかにもプレイアブルに昇格。 最初はただの中ボスだったキャラにしては扱いが良い気がする。 この厚遇はアニメのブラックジョーク満載なキャラ付けが視聴者にウケたおかげなのだろうか? 担当声優の飛田展男氏の演技も光っていた。 同声優で他キャラのマッチョサンの「エアロビ天国GO GO HEAVEN」をよく歌い切ったと思う。DS用ソフトの『あつめて! カービィ』にもマッチョサンはちょい役で登場するそう。きっとアニメのインパクトがすごかったからである。 アニメのコックカワサキは調理技術は一流だが味付けがまずい料理人として登場する。 『SDX』では調理器具を武器にする素行もあって料理下手でも変じゃないイメージがあるが、小説や漫画だと違うそう。 カービィカフェでカービィとワドルディのほかにカワサキも顔を出すようになった今、メシマズ設定はアニメ限定の話になりつつあるのかもしれない。 カワサキが映る公式のカービィカフェ動画→カービィカフェ、グランドオープンのお話【FULL】 ## 移植とリメイク 2019年12月12日よりニンテンドースイッチオンラインにてプレイ可能。 また、2008年11月6日にDSでリメイクの『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』が発売された。 シリーズで最高傑作だというファンもいる作品なためか、プレイ環境は手厚く用意されている気がする。 ### 定番シリーズ カービィシリーズは現状安泰のシリーズであり、新作にコラボカフェなどで人気を集めている。 今後ますますの発展があるのだろう。わしはもう遠巻きから見るだけである。 好きな気持ちは変わらないけれど積極的に関わることはない予定。 小学生がいずれ漫画雑誌の『コロコロコミック』を卒業していくのと同じように、カービィもわしには対象年齢外な感じがある。小学生がバンバンやってるスプラトゥーンシリーズをやっておいてなんだけれども。 ### コラボグッズ 2024年、マクドナルドおよび吉野家でグッズ付きの販売があった。 2024年2月23日よりマック→マクドナルドのハッピーセット®に「星のカービィ」が初登場! | 星のカービィポータル 2024年8月8日より吉野家→全国の吉野家店舗で「カービィと吉野家まんぷく大作戦」が開催! | 星のカービィポータル これらは大盛況だったようである。特に前者は変顔なぬいぐるみが混ざっていて、それも面白がられていた。 わしも気になったけれど買わず。 品薄騒ぎがあったので「こういうタイミングでしかグッズをゲットできない子供がいるだろうから」と手を出さなかった。 わしには過去にマクドナルドでゲットした舌を横に動かすテレサや回転するルイージのおもちゃがあれば充分である。この頃はおもちゃの品薄は無かったと思うんだけどなぁ。 あまりにもカービィ人気が高まってた年なのだろうか。いいことなんだと思いたい。 ゲーム #アクションゲーム #アドカレ2024