3.SFC餓狼伝説SPECIAL【アドベントカレンダー2024】 2024/12/4 B! P L 『餓狼伝説SPECIAL』(がろうでんせつ スペシャル)は、1993年9月16日に稼働したSNKのアーケード用2D対戦型格闘ゲーム。 それをスーパーファミコン(以下SFC)に移植したものが1994年7月29日に発売された。 アーケード版の迫力あるバトルを家庭用ゲーム機で再現したことで、多くのプレイヤーから注目を集めた……があまり評価は高くない。 移植版の販売を担当したタカラという会社は前評判が悪く、その評判通りのデキになってしまったそう。 先に宣言しておくとわしはライトを通り越してタンポポの綿毛程度のユーザーなので本物の『餓狼伝説』好きに向けた記事ではないです。 ヘビーな層はNEOGEO墓標へお行きください。なお当方は当該サイトとはなんの関係もありません。 ## ゲーム概要:餓狼1~2 アメリカの架空都市・サウスタウンを舞台に、主人公のテリー・ボガードをはじめとする個性豊かな格闘家たちが闘う。 初代『餓狼伝説』はテリーの養父(ジェフ・ボガード)の仇であるギース・ハワードへの復讐を果たすため、テリーとその弟のアンディと、ギースとの因縁はないがボガード兄弟と親しいジョー・東がギースの主催する最強武闘会キング・オブ・ファイターズ に参加するストーリーだった。 『餓狼伝説2』はテリーたちがギースを倒したあとの舞台。 ギース不在でありながら行なわれる最強武闘会キング・オブ・ファイターズ にさまざまな格闘家たちが駆けつける。 ### SPの舞台設定 『餓狼伝説SPECIAL』(以下ガロスペとも表記)は『餓狼伝説2』のアッパーバージョン版であり舞台状況はほぼ同じ。 『餓狼伝説2』ではNPC専用だったキャラがプレイアブル化し、2不在で初代『餓狼伝説』に参戦していたキャラが復帰した。 舞台は変わらず使用可能キャラが増えた仕様で見ると『ストリートファイターⅡ』における『スーパーストリートファイターⅡ』のような位置づけ。 敵専用なキャラが使えるようになった点では『スパⅡ』の前にリリースされていた『ストリートファイターⅡダッシュ』も当てはまる。 #### ギースの復活の扱い 初代からの復帰キャラの中にギースがいる。 彼は初代『餓狼伝説』で死んだかのような演出がなされていた。具体的には『ファイナルファイト』のラスボスのベルガー相当に高所から落下退場する。 公式サイトのNEOGEO BATTLE COLISEUM【餓狼伝説】のメインストーリーによると、今作で**ギースが実は生きてた路線に突入**していたようだ。 しかし作中のストーリーが皆無。そのためいわゆるお祭りゲーム的なものと見なすプレイヤーもいる。 隠しキャラとして『餓狼伝説』の十数年前を舞台にした『龍虎の拳』の主人公・リョウが登場するのも異次元感が増したのかもしれない。 のちの続編『餓狼伝説3』ではストーリー上はっきりとギースが復活を遂げる。 ### KOFの先駆け? SNKの有名な格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下KOF)は第一作目の『KOF'94』が1994年8月25日にアーケード稼働した。 ゲームのタイトルは『餓狼伝説』および『龍虎の拳2』の作中で行なわれる最強武闘会キング・オブ・ファイターズ を踏まえている。『KOF』の内容も格闘大会を勝ち抜いていくことが目的なのでやることはだいたい同じ。個人戦とチーム戦なところは違う。 この大会が初めて登場した作品が『餓狼伝説』。(※ゲーム内の時系列では餓狼世界の過去にあたる『龍虎の拳2』が先) 最初はギース主催の格闘大会だったが『餓狼伝説2』ではクラウザー主催となり、主催者をギースに限定しない前例ができた。 『KOF』の大元となったゲームと言える、が公式サイドはどう定義しているかわしは知らない。 ## 不評な部分 アーケードゲームの『餓狼伝説SPECIAL』はまぎれもなくストシリーズと対抗しうる良作だった。 しかしSFC版はそうじゃなかったと評判である。 詳しいことは他サイトのゲームカタログ@WikiのSFC餓狼伝説スペシャルにまとまっているので興味ある人はどうぞ。 一番致命的な欠点が操作性。従来のコマンド入力をしようとしてもうまく技が発動しない仕組みらしい。 入力中に十字キーを放す必要があるとはナニソレ? と頭が混乱する。キャンセルとかのテクニックでなく普通の必殺技で求められる動作がソレはややこしい。 ただし最初から必殺技を出すことを諦めているヘボプレイヤーには関係のない不具合だった。わしは波動拳くらいしか出せなかった。 分かってる人は多いだろうけれど**波動拳はストシリーズの必殺技**である。 餓狼のほうでわしが技を出せてたキャラがいるかわからない。こんなプレイ環境で技を出せる気は100%しない。 ### 家庭用機の制限 当時のアーケードゲームはゲーム技術の最先端を詰め込める環境だった、とわしは認識している。 現在はそうとも限らず、一部のアケゲー内部では旧世代のゲーム機が現役稼働しているとの話がある。PS2が丸ごと筐体に入ってた例→ゲームセンターの筐体に見たくなかった画面が...なぜ?→店員さんが見せてくれた中身が「そのまんま」すぎた 20世紀のアーケードゲームが技術の粋すい を集めて作られた一方で、大量生産な家庭用ゲーム機はコストパフォーマンス重視に作られる。 製造費を抑えるために性能もアーケードより落ちる部分があった。 技術的に制限のかかるSFCへの移植にはいろいろとムリあったのだとは思う。 しかし餓狼シリーズと同時期にアーケード稼働していた『ストⅡ』や『スパⅡ』のSFC移植版は「必殺技が思ったように出せない」なんて不満は目立たない。 また、同じSNK格闘ゲームでありアーケードからのSFC移植版『龍虎の拳』も容量を切り詰めた感はあれどおおむね好評だった。 ガロスペ移植に携わった人たちの優先順位なり体制なりに大きな差があったのだろうかと思わされる。 ちなみにSFC『龍虎の拳』もガロスペも開発はモノリス(※モノリスソフトとは別)という会社で共通している。発売元の違いでこうも差が出るのか。 ## 我が家のプレイ状況 冒頭でも告白したが**わしはあまり熱心にプレイしていない**。 『ストリートファイターZERO2』でナッシュをよく使ってた兄でさえも、プレイしていたかはわしの記憶に残っていない。 ただ後年テリーの話を兄からすることがあったので好きなシリーズではあったのかもしれない。家でプレイしなくてもゲーセンか友人宅でプレイできただろうし。 わしは必殺技もライン移動もよくわからず適当にキャラを操作していた。お気に入りはチン・シンザン。 必殺技をロクに出せなくてもオーラ的エフェクトの出る攻撃が好きだった。ドットのグラフィックだけで好きになっていた。容姿はチビの小デブ(※出川哲朗的表現)なオッチャンだが。 #### 高嶺の花なNEOGEOゲーム機 SNK作品はSNKが開発したゲーム機本体によく移植された。 その価格が高かったと兄は言う。 調べるとゲーム機本体のネオジオの価格5万8千円(のちに4万8800円に変更)も値が張るが、なにより**ソフトがバカ高い**。 NEOGEOソフトのガロスペで2万8千円していたという。 対するSFCソフトはだいたい1万円前後。実に3倍近い差がある。 けっしてSNKが強気な殿様商売をしていたわけでなく、アーケードに準じた高い性能を追求するとそれだけ必要コストがかさんだようだ。のちに(ローディングがめちゃくちゃかかる)格安モデルも出していたそう。 参考までに2017年発売のNintendo Switch(通常モデル)は3万3千円。 スイッチは本体だけだと儲けは出ない売り方をしてたらしいが、それにしてもソフト単体で3万近くの価格はかなり思い切っている。 だから兄も興味はあっても手が出せないゲームが多かったようだ。 そんな中でこの『餓狼伝説SPECIAL』は当時の普及率トップなSFCに移植されたソフト。定価1万円ほどで当時のカセットゲームなら普通な価格。 SFCでならプレイできたから家にもあったのだと思う。 #### カプエス2の思い出 ガロスペの他にうちでSNK絡みの格闘ゲームをやれたのはカプコンとのクロスオーバー作品の『CAPCOM VS. SNK2』(以下『カプエス2』)と『サムライスピリッツ』シリーズのいくつかだけである。 『カプエス2』では兄は八神庵を愛用していた。赤いから好きだったのだろうかと思う。暴走庵(正式名称はツキノヨルオロチノチニクルフイオリ)のほうも使っていた。 わしは刀を持っている女子をよく使ってた。高嶺響という『月華の剣士』シリーズの人気キャラ。 二人そろってSNK側のキャラを使っていた。 後年わしがこのゲームのことを思い出そうとしたら**ストシリーズのキャラが大勢いたことを完全に忘却していた**。 眼中に入ってなかったのかもしれない。いつものメンバーだからと。 そのころは前々から『KOF』の存在は雑誌で見知っていて、でもゲームソフトがないから遊べずにいた。 『カプエス2』のソフトが家にきて、その中に草薙京などがいて「これが『KOF』か!?(※別ゲー)」と思ったような気がする。SNKのキャラがレア物だった。色違いポケモンみたいなものだった。 ## 続編の状況 『餓狼伝説SPECIAL』の次には『餓狼伝説3』,リブート作品の『リアルバウト』シリーズ,初代から十年が経過し主役がテリーの養子・ロックに代わった『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(以下『MOW』)が登場した。 その後もストーリーは続いていく予定だったらしいがSNKの経営不振&倒産によって計画が頓挫した。 しかしその後もIPを引き継いだ会社による売れ線の『KOF』は作られていき、とうとう餓狼シリーズ新作の『餓狼伝説 City of the Wolves』が2025年4月21日に出ることとなった。 『MOW』の続編を望んでいた人たちには感涙ものの展開であろうと思う。 『スト6』から春麗とケンも参戦するという。『スト6』にテリーと舞がDLC追加されたので交換留学生のようなものだろうか。 参戦キャラクターの中にチン・シンザンはいなさそうである。 『KOF』はグッドルッキングなキャラが多く、そういうのが餓狼シリーズにも求められるのだと考えると仕方ないと思う、チビの小デブ(※出川哲朗的表現)なオッチャンでは。 ゲーム #アドカレ2024 #格ゲー