17.SFCロマンシング サ・ガ3【アドベントカレンダー2024】 2024/12/24Posted 2025/1/9 Last update B! P L 『ロマンシング サ・ガ3』は、1995年11月11日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたスーパーファミコン用RPG。 1989年12月15日発売の『魔界塔士Sa・Ga』から続くサガシリーズの第6作目であり、SFCのロマンシング サ・ガシリーズの第3作目にあたる。 ## ゲーム概要 「死食」と呼ばれる天変地異があり、死食が起きるとその年に生まれた全ての新しい生命が失われる。 600年前の死食で生き残った赤子は「魔王」となり、世界に荒廃をまねいた。 300年前の死食で生き残った赤子は「聖王」となり、世界に平和をもたらした。 物語の舞台は3度目の死食から15年後の世界。 死食の影響で、人の住む世界と魔物のいる世界を繋ぐアビスゲートが開きつつあった。 魔物の中でも強力な四魔貴族がアビスゲートを完全に開くために、影を送って世界各地を荒らしていた。 主人公たちは影の四魔貴族を鎮圧し、アビスゲートを閉じていく。 ### フリーシナリオシステム 8人の主人公から1人を選んでゲームを始める。 プレイヤーの選択や行動によって微妙に物語の展開が変化する。 複数のイベントを同時進行させたり、好きな順番で進めたりできる自由度の高いシステム。 ### バトルシステム 閃き 戦闘中に使用する武器ごとにランダムで新しい技を習得できる。 敵が強いほど強力な技を閃きやすくなる。 キャラクターにはそれぞれ閃きやすい技が決まっているため、使いたい技によっては技適性目当てで仲間を選ぶ必要もある。ぜんぜん適性がなくても根気よく戦えば閃きはすると言われる。 陣形 戦闘時にキャラクターの配置を変更することで、被弾率を上げ下げしたり特定の効果を得られたりする。 戦闘に出る人数ごとに指定できる陣形が変わる。Max5名の戦闘が推奨されるため5人用の陣形がもっとも豊富。 4人以下の陣形はすべて初期で選択できる。 5人用の陣形は味方キャラが所持しており仲間に加入した際に新たに得られる場合がある。新規加入者が持つ陣形を選んだうえで戦闘すると陣形所有者を仲間から外したあとも使える仕組みだそう。プレイ中はそんなの気にしなかった。 コマンダーモード 主人公を控えにすると発動し、味方に陣形技や戦略などのざっくりとした指示を出せる特殊モード。 ターン終了時に味方全員のHPと状態異常が回復する。 6人限定かと思いきや2人以上ならできるそう。わしはやったことがなかった。 ニンテンドー公式サイトの電子説明書には5人(戦うのは4人)なコマンダーモードの画像があった。→ロマンシング サ・ガ3 キャラクターの育成 戦闘を重ねることでキャラクターの武器レベルや技ポイントなどが成長する。 腕力や素早さのステータスは固定で、戦闘によってステータスが伸びることはない。 主人公に選んだキャラクターのみ、ゲーム開始時に選択する宿星と得意武器によってステータス値が変動する。 ### ミニゲーム マスコンバット 軍隊同士の戦闘を行うミニゲーム。 イベント戦のほか、ミカエルを主人公にした際に施政(玉座イベント)を行なっているとしばしば発生する。 トレード 物件の買収をするミニゲーム。主人公が誰でもやれる。 トーマスはトレードイベントの成否でエンディングが変化する。 ### マルチエンディング 主人公ごとに複数のエンディングが用意される。 8人の主人公それぞれに2つは結末があり、すべてを自力で見るのはけっこうなやり込み要素。 一部のエンディングについては後述。 記述のある小見出しは<銀魂的なファイナルファンタジーが多い中・・・>。ネタバレ要注意。 ## 納期か容量が足りない?箇所 サガシリーズはなにかと未完成な部分をファン間で指摘されるシリーズでもある。 おもに全体的な説明不足さがその印象をブーストさせているとわしは思う。 『ロマサガ3』は特に「アビスゲートが開くことの危険性」の説明こそあれど、*主人公たちがアビスゲートを閉じるべき動機付けが弱く*て、ストーリーの唐突感があった。 サガシリーズはこういうもの、と慣れているプレイヤーにはなんてことないのかもしれない。が、そうでない一般プレイヤーには不親切だった。 『ロマサガ3』は本筋の流れのほかにも気になる部分があった。 ### ミニゲームのやり方説明がない マスコンバットにトレードはそれ一本のゲームがほしい、と希望する人もいるほど、熱中できる面白さがある……模様。 あいにくわしはそんなにハマらなかった。遊び方の説明がなくてわけがわからなかったせいである。 トレードはまだ視覚的に金をたくさん積めたら勝ちだと察せるが、マスコンは初見状態ではどう駆け引きしてやったらいいのかぜんぜん掴めなかった。 ミカエルとハリードを主人公にすることに抵抗感を覚えるのはきっと序盤の強制マスコンのせい。 ### ボルカノが仲間にならない 仲間になる玄武の術士なウンディーネ、のライバルな朱鳥の術士なボルカノ。 やってることや立場はウンディーネとほとんど同じ。にもかかわらず仲間にならない。 初期習得術が玄武なキャラが多い今作、ボルカノがパーティ加入者になれていたらこの偏重ぶりもいくらか解消されたと思う。 一応朱鳥術の使い手にはすでにシャールがいるけれど、条件付きで物理アタッカー運用もアリなキャラ。純正の朱鳥術士が他にいてもいいはず。 スマホゲームのほうではボルカノも使えるそう。『ロマサガ3』リマスター版では相変わらずただのNPC。 ### エレンの固有イベントがない 主人公たちにはそれぞれ主人公専用のイベントがある。 プリンセスガードになった場合のユリアンや、本物のカムシーンを得るイベントのあるハリードなどなど。 そういった特定の主人公に選んだとき限定のイベントや演出がエレンにはない。 エレンのキャラは人気高いし、『ロマサガ3』のストーリーの結末でいえば一番主人公してるのだが、イベント面は手薄。 エレンが『サガフロ』のリュート並みにイベントの作り込みがスカスカでもったいないことをしている気がする。 #### シノンの村がない ユリアンたちシノンの開拓民が住む村はオープニングやエンディングでそれらしい場所が映る。 しかしプレイヤーが自由に訪れる方法はない。 トレードの物件にはシノンと名の付くものとエレンとサラの苗字のついた農場がある。あの世界に普通に存在している地域である。 なんの理由もなく、大半の主人公のゆかりある居住地に行けないのはちょっと変な話。 どうも没データにはシノンの村があるらしい。本採用には至らなかっただけだと。 これも制作が追いつかずにお蔵入りになった部分なのだろうか。 ## 管理人の主人公感語り 初周プレイ時、性能やら攻略やらをわからないまま、わしは8人から主人公を選んだ。 主人公に決めたのはカタリナだった。カラーリングがカラフルかつ大剣使いなところに惹かれた思い出がある。得意武器は主人公なら自由に選べるが、なにがいいのかわからないので初期設定のままにしていた。 反対に「*これは絶対に選ばないな*」と思ったキャラがトーマスだった。 理由は全身茶色尽くしなカラーなせい。ファンタジーものの主人公がこういう地味な色はナシだと判定した。マントはオレンジ色なんだけどそれだけじゃ物足りなかった。 結果的にはカタリナは他の主人公だと仲間にできない希少なキャラゆえ、めぼしいキャラを一通り使うにはお得な選択だったように思う。 カタリナ主人公ではユリアンが仲間にできないけど剣キャラはハリードでいいしなぁ。あとユリアンは兄者が主人公に選んだので見慣れていた。 ### 仲間には連れ回したトーマス 初見はトーマスにスゴイシツレイな印象を持ったとはいえ、実際にプレイを始めたら即行で仲間にしていた。 主人公にもよるが、トーマスは基本的にピドナの初期イベントで勝手に加入する。わしはそのままパーティインさせていた。 同じくピドナで仲間になるノーラも連れた。話すだけで加入するうえに普通のやり方では仲間から外せない詩人もタチアナ(※加入時は偽名を名乗る)も初期は連れていた。 トーマスは術を使わせていくなら初期習得の玄武術がいいらしい。そういうことをわしは知らなかった。 最初から使える術が玄武のスコールだけ、かつ威力がかなり弱かったため、せっかくの魔力の高さを活かそうとして朱鳥術に付け替えさせた。 資金投入した手前、仲間から外すのもなんだかなーというケチ根性もあってラスダンまでずっと連れていた。 まことに主人公にするのだけはナシだと思っただけで、冒険のお伴としてはお気に入りだったのかもしれない。 #### 小林智美絵を見て ドット絵では地味だなぁと感じていたトーマスだが、説明書や攻略本の絵を見ると違った。 わしは「うおカッコイイ!」と思った。 そうは思わない人もきっといるのだろうが、わしの中ではドット絵の印象をくつがえすイラストだった。 一番絵のデキがいいのはエレンだと思う。めっちゃ美人。 ただ一番好きなキャラはウォードだった。腕力が高くて大剣使いで強いと思った。しかし今作の大剣は弱い武器種なんだそう。乱れ雪月花とかカッコよかったんだけどなぁ。 #### 方向性が似る格ゲーのナッシュ話 ぜんぜん違うゲームの話になるが、わしは『ストリートファイターZERO』のナッシュに謎にこだわる人間である。ナッシュを知らない方はゲーム名とキャラ名を一緒に検索してください。 一文で説明するとわしの兄の持ちキャラのガイル(ZEROのすがた)的な人。だいたいはガイルのガワが変わったようなもんだとわしは思う。女性ウケがよくなったガイルみたいな。それはガイルと呼べんか。 なぜナッシュにハートキャッチされているのか自分でもわからない。 しかし『ロマサガ3』のトーマスが格好いいと思ったことを考えると、そういう系のキャラが好きという結論になりそう。 眼鏡でインテリチックでツリ目がちなところが似てる。ただしトーマスは前髪が長くない。それとゴリモリマッチョじゃない。あと腹筋を出さない。 ### 銀魂的なファイナルファンタジーが多い中・・・ 主人公に関連した話、エンディングでは条件を満たせば一部主人公が異性と結ばれるものがある。 ハリード主人公時のファティーマ姫,カタリナ主人公の場合でのミカエル,ユリアンとモニカの双方。 8人の主人公のうち、5人はカップル成立する。ハリードは明確でないがもともと姫が恋人なので再会が叶えばたぶんくっつく。 残り3人の主人公は色恋の感じがない。 ただしエレンが仲間にいるときのユリアン,およびユリアンが仲間にいるときのエレンのENDは、そういう条件分岐が設けられていること+ストーリー冒頭のユリアンアタック(※ユリアンブロックに非ず)から想像の余地がプレイヤーに委ねられている気がする。 ___ 以下解説2種。 【ユリアンブロック】とはモニカ主人公時の専用イベントのボス戦時にユリアンがやる行動のこと。確率次第で極意を取得できるが技としては使えない。 見出しの”銀魂的なファイナルファンタジー”はジャンプ漫画『銀魂』にあった造語のこと。 【最終回発情期】にルビを振ってファイナルファンタジーと称した、ストーリーの終盤のほうで登場人物がやたらとカップル成立する現象を意味する。 #### ロマサガ3内ではご縁がなかったが エレンを抜かして残り2人。誰か言わなくてもわかるだろうがサラとトーマスである。 この2人のエンディングでは恋愛の空気がないのである。 サガシリーズは恋愛ゲームではないしムリにくっつける必要はない。 でもくっついてもよさげなポイントはいろいろあった。一緒に料理を作るシーンや、サラがエレンから独り立ちするきっかけがトーマスのピドナ行きだとか。 わしは未プレイのソーシャルゲームでは2人が一緒な絵(エンサガ) やトーマスとサラがお互いに特殊セリフを言う(インサガ)場合などがあったそう。 公式サイドも意識はしているらしい。 もしリメイクがあったら2人のイイ感じのENDも足されるのかもしれない? ただ、エンディングよりは道中のイベントを増やしたほうが需要がありそうで、そもそもメインシナリオの導線をもっと丁寧に引いたほうがええんでないかと思う。 エンディングを増やすのは基本の部分がしっかり作りこめてからがいいです、ゲーマーの気持ちでは。 ## リマスター 2019年11月11日にリマスター版が発売された。 初期はいろいろバグが多くてあまり評判はよろしくなかった。 2018年発売のリメイク作『聖剣伝説2 SECRET of MANA』も初期の調整が甘くて評価がボロボロになっていた。制作体制だいじょうぶなんかスクエニ? といった不安が渦巻く暗黒期。 しかしその後のリメイク作の『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』や『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は評判がよくて持ち直した。 もし『ロマサガ3』のフルリメイクがあってもこの調子ならいいものが生まれるかもしれない。 ソシャゲのほうでお出ししたお話や設定もひっくるめた完成形の『ロマサガ3』が見られる日はくるのかな。 ゲーム #RPG #アドカレ2024