【Note補足】ポケモンZAの進化の石の使用方法話―チュートリアルを足そう 2025/12/4Posted B! P L アドカレ企画でNoteに公開した『Pokémon LEGENDS Z-A』の進化の石話の続き。 【初見者配慮】進化の石の使用方法はどこで説明される?ポケモンレジェンズZA【アドカレ2025】 道具の使い方が適切にプレイヤーに伝わらない問題は、私のゲーマー感覚としては上記リンク先で述べた解決案で片を付けてほしい。どの作品にも使いまわせる概念。 だが、それができないケースを想定した方法も述べる。 言い換えれば、先の2つの方法が作り手の盲点を突いたものであったとしても、今作の制作者の発想次第で盛りこめた可能性はあること。 ## 場面1:ポケモン交換イベントにチュートリアルを差しこむ 記事最初のリンク先でも述べた、進化の石イベント。 これを進化の石のチュートリアル化する手立てもある。 依頼主エシャンはピカチュウを自身の持ちポケのヘラクロスと交換する、という要望を出しているが、そこを依頼成功時にちょっと変える。 現状からの変更箇所は、プレイヤーが捕まえてきたピカチュウを即交換するのではなくて、*プレイヤーの手でピカチュウを進化させる*工程を一つはさむのである。 依頼主が「石を使ってみて」とでも言いながら、雷の石をプレイヤーに渡し、実際にプレイヤーがメニュー画面を開いて使う。 そうしたら、進化の石は道具として使うもの、という情報はプレイヤーに身をもって伝えられる。 そしてピカチュウに戻れないライチュウはすぐに他人に譲渡するので、ピカチュウの愛らしい姿をプレイヤーが惜しむ必要はない。 ピカチュウが欲しければもう一度ピカチュウ(か進化前のピチュー)を捕まえるしかないのである。 プレイヤーの生粋の手持ちポケモンを強制的に進化させるよりも、心理的抵抗感の薄まった展開におさまる。 ### 現状の進化イベントはただのポケモン交換の紹介 ここまでやって初めて進化の石のチュートリアルと呼べると思う。 プレイヤーの中には現状の「石を使います」のセリフだけで進化の石の用法を説明できていたと思う人は多数見かけた。 だが、それはすでに使い方を知っている者の思い上がりだ。 そもそもこのイベントのもっとも伝えたいことはなんだろうか。 私は**ポケモンを交換するシステムの紹介**がメインのイベントだと感じた。 進化の石うんぬんは些末な要素で、そちらは大事でない。そんな作りだ。 ## 場面2:MZ団メンバーの進化の石使用を選択式のチュートリアル化する ストーリー中、主人公が所属するエムゼット団のうちの一人が、進化の石を自身のポケモンに使う話があがる。 このときに*主人公に進化の石を使ってみるか尋ねる選択肢を設ける*のはどうか。 すでに使用方法を知っている人は拒否し、まだ進化の石のことをよくわかってない人はチュートリアルに入る。 そういうやり方も本編中に挿入できる余地があった。 実際に団員の手持ちポケモンが石進化する場面はもはや終盤にせまった時期。 このタイミングでの石進化は適正レベルから考えると遅いだろうけれど、一種の救済措置として用意してもよかったと思う。 それに、ゲームに慣れてきた状況だからこそ頭にスッと入ることもある。 ### 最初に全部教えられても抜ける プレイ開始時にゲームに必要な情報をプレイヤーに教えるのは大事なことである。 しかしながら、いま必要でないことを、ずっと記憶していられる人が、どれほどいるだろうか? 進化の石はプレイ開始時に使うことは普通ない。 ピカチュウにしろヒトデマンにしろ、最初はその性能で充分序盤を切り抜けられる。 そんな時期に進化の石の使い方を説明されても、本当に必要になったときに思い出せるとはかぎらない。 ある程度ストーリーが進んだときに確認を促すのは、最初は覚えることが多すぎる初心者にとって親切なやり方だと思う。 ## 余談:キミは冒頭のスマホ画面を覚えていられたか ゲーム開始時のムービーにて、電車に乗る主人公がスマホロトムの画面を見ているシーンがある。 その画面の内容を、初見ではっきり見てわかった人はいるかな? 実は主人公はガイorタウニーの動画(※実際は静止画)を視聴していた。 この画面はすぐ切り替わってしまうので見逃す人も多かろうが、最終的にはカナリィの動画(※静止画)が数秒間表示されるシーンになる。 ゲーム中、カナリィとはストーリーの中盤に出会うことになる。 *このときに「スマホに映ってた子じゃん」と思い出せる人がいるのか*。 私が知る熟練の『ポケモン』プレイヤー(※『ZA』の過去作『XY』既知)な動画投稿者はオープニングムービー中、まだ名前を知らないカナリィに反応したものの、本編のカナリィ登場シーンではそのことに触れなかった。 たぶんオープニングの内容を忘れてた。 ### プレイ開始時は情報量が多い きっと、記憶力のものすごくいい人は思い出せる。 でもそういう人は多くないはずだ。なにせ最初はほかに気にすることがたくさんある。 ゲーム開始直後のムービーに映った人々はなんの話をしているのか, 主人公はどこへ向かい、何者からの視点でゲームの画面は映っているのか, これからどう話が進むのか。 そういった新情報の洪水の中にプレイヤーは置かれている。 主人公が暇つぶしに見ているであろうスマホ画面の内容まで気にする余裕は、並大抵の初見者には無いのである。 これと似たことが、進化の石イベントにも言える。 #### 間が空くと忘れる 登場人物が「かみなりのいしを使いまーす!」と言ってピカチュウをライチュウに進化させても、初心者にとってそれは重要なことでない。 そもそも序盤に必要な情報でもない。 必要とも重要とも思えないことを覚えていられる人は少数派だ。 初心プレイヤーが進化の石を使いたいと思うときに、この序盤のイベントのセリフを思い出せばいいと経験者は簡単に言うが、**だいぶ無茶な話**だと思う。 私なぞは犬形態のジガルデがくれたものが最終盤で活きてくるシーンのとき、以前にアイテムをもらったことをすっかり忘れていた。 取得時はゲームのお約束で重要アイテムなんだろうと思っていたものの、忘れるときは忘れる。 #### カナリィ掲載の11月以降は違うかも+カラスバ初出動画 [公式サイトの登場人物](https://www.pokemon.co.jp/ex/legends_z-a/ja/characters/)では2025年11月6日にカナリィの紹介ページが追加された。 発売日は同年10月16日だったゲームにしては遅い更新である。 それまで「冒険の中で出会う人々」の紹介は、2025年7月22日の発売前紹介動画で首ポキしぐさ(製品版では没)を見せたカラスバで止まっていた。 ↓再生開始がサビ組のシーン(18:05)から始まるようにした公式動画。 カラスバの紹介自体は20:12から。製品版にもある、対戦開始時の自身の左手を右手で握るシーンもあり。 カナリィの紹介ページを見たあとからプレイする場合、ゲーム開始時のムービーでカナリィがフライング出演することに気づきやすくなった。 それは事前にカナリィの情報を知っているおかげで、彼女のことを必要なり重要なりと感じられるからだ。 何も知らない状況では「なんかハデめな人が映った」とプレイヤーに受け流され、忘れられていきやすい小ネタである。 ゲーム #ARPG